カナダ中銀は政策金利を維持、量的引締を継続 2023年3月8日
カナダ 中銀 は2023年3月8日、政策金利のターゲットを4.50%に据え置くとし、量的引き締め政策を継続することを発表しました。
世界的にインフレ率は依然として高いものの、主にエネルギー価格の低下により改善の兆しが見えています。ただし、米国と欧州では、成長率とインフレ率の短期的な見通しがいずれも1月の予想より高くなっており、労働市場は引き続きタイトでコアインフレ率の上昇は持続している状況です。
カナダの直近 (2022年12月) のGDPでは予測を1年ぶりに下回りました。消費、政府支出、純輸出がすべて増加する中、GDPが予想を下回ったのは在庫投資が大きく減速したことが主因です。金融引き締め政策が引き続き家計消費の重荷となっており、内外の需要の鈍化に伴い企業投資も弱まっています。
カナダの労働市場は依然として極めてタイトです。雇用の伸びは驚くほど強く失業率は歴史的な低水準にとどまり、求人倍率は上昇しています。賃金は4〜5%の伸びを続けていますが、生産性は最近の四半期で低下しています。
2023年1月の消費者物価指数 CPI (インフレ率) は、エネルギー、耐久消費財、一部のサービスの価格上昇の鈍化を反映して5.9%に緩和されました。
食料と住居の価格上昇は依然として高く、カナダ国民に継続的な苦しみを与えている状況ですが、今後数四半期は経済成長が弱いと予想されるため、製品市場と労働市場への上昇圧力は緩和されると考えられます。これは賃金の伸びを緩やかにすると同時に、競争を促し企業がコスト上昇を消費者に転嫁することを難しくさせるでしょう。
カナダ中銀は前回の発表の際、インフレ率が見通しに概ね沿って推移する場合、政策金利を現在の水準に維持するとの見通しを示し、今回、最近のデータに基づき4.5%に維持することを決定しました。
経済動向と過去の利上げの影響を引き続き評価し、インフレ率を2%の目標に戻すために必要であれば、政策金利をさらに引き上げる用意があります。カナダ中銀は、カナダ国民のために物価の安定を回復させるというコミットメントに断固とした姿勢で臨んでいきます。
次回の政策金利発表予定日は2023年4月12日になります。
出典 :
Bank of Canada maintains policy rate, continues quantitative tightening | Bank of Canada
Canada Interest Rate Decision | Investing.com