CPI インフレ率,  経済指標

カナダ CPI インフレ率 消費者物価指数 2023年4月

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概況

カナダ 統計局 によると、カナダの2023年4月の消費者物価指数 CPI (インフレ率) は、事前の前年同月比の予想+4.1%に対して0.3ポイント高い+4.4%となりました。これは3月の+4.3%よりも高い値で、2022年6月から毎月続いていた上昇率の鈍化が止まりました。

前月比は3月の+0.5%に続き4月も+0.7%の上昇となりました。主に住宅ローン金利コストと家賃価格が、このインフレ率上昇につながっています。

ガソリン価格は前月比で上昇するも前年同月比では下落が続く

2023年4月のガソリン価格は前月比で+6.3%の上昇となり、2022年10月以降で最大の月間上昇率となりました。この上昇は、OPEC+から原油の減産が発表され価格が上昇したことを受けたもので、また、サマーブレンドへの切り替えや炭素税の引き上げも価格上昇に影響しました。

ロシアのウクライナ侵攻の影響もありガソリン価格が上昇した2022年4月と比較すると、前年同月比で-7.7%低くなっていますが、侵攻以前の1年半前と比較するとガソリン価格は10.0%上昇しています。

住宅買替えコストが伸び悩む中、住宅ローン金利コストは引き続き上昇

住宅コスト (shelter costs) は2023年3月の前年同月比+5.4%に続いて4月は+4.9%となりました。住宅ローン金利の上昇により2022年4月と比較して金利コストの支払いは+28.5%も増加しています。また、高金利環境は賃貸需要の拡大を促し2023年4月の家賃価格の上昇+6.1%にも影響を及ぼしていると考えられます。

一方で、住宅買替えコスト (homeowners’ replacement cost) は前年同月比で2023年4月は+0.2%と12ヶ月連続で上昇が鈍化、住宅市場の全般的な冷え込みを反映しています。

食料品価格の上昇率は緩やかなペース

食料品の価格は、前年同期比で2023年3月の+9.7%と比較して4月は+9.1%と少し上昇率が鈍化しました。特に、生鮮野菜の値上がりが鈍化し、主に2022年12月の過去最高価格から下落したレタスの-3.3%の値下がりが最も貢献しました。

生鮮果実の価格は、前年同月比で3月の+7.1%の上昇に続き4月は8.3%の上昇となり、この増加はオレンジの価格が+12.0%上昇したことが最も影響しています。

出典 :
Consumer Price Index, April 2023 | Statistics Canada
Canada Consumer Price Index (CPI) YoY | Investing.com