カナダ 統計局 により発表された2023年5月のカナダの新築住宅価格指数は、前月比で予想0.0%に対して+0.1%と上回った値となり小幅上昇で推移しました。これは2022年8月以来のプラス成長となります。


出典 :
New Housing Price Index, May 2023 | Statistics Canada
Canada New Housing Price Index MoM | Investing.com
カナダ 統計局 により発表された2023年5月のカナダの新築住宅価格指数は、前月比で予想0.0%に対して+0.1%と上回った値となり小幅上昇で推移しました。これは2022年8月以来のプラス成長となります。
出典 :
New Housing Price Index, May 2023 | Statistics Canada
Canada New Housing Price Index MoM | Investing.com
カナダ 統計局 によると、2023年4月のカナダ小売売上高は前月比+1.1%の659億カナダドルとなりました。9部門中8部門で売上高が増加し、特に、総合販売店 (+3.3%) と飲食料品販売店 (+1.5%) が牽引しました。
ガソリンスタンド及び燃料販売店と自動車及び部品販売店のエネルギー関連を除いたコア小売売上高は+1.5%の増加となりました。数量ベースでの小売売上高も+0.3%の増加となっています。
先月3月は、2022年9月以降で初めて前月比1%以上のマイナス成長となり、かつ2年振りに2ヶ月連続でのマイナスとなったのですが、自動車・エネルギー関連の売上減少がリカバリーされたことで、売上高全体として減少傾向は継続せずプラス成長に回復しました。
2023年4月のコア小売売上高は+1.5%の増加となり5ヶ月連続の増加となりました。増加の主因は、総合販売店の売上高+3.3%と飲食料品販売店の売上高+1.5%になります。
コア小売売上高が最も減少したのは、家具・インテリア・家電販売店で売上高-1.6%、特に、家電機器販売店の-1.3%が影響しました。
2023年3月に大きく減少した自動車及び部品販売店の4月の売上高は+0.5%と増加に転じました。中古車販売店の売上高が+3.7%、自動車部品及びタイヤ販売店の売上高が+3.5%で増加しました。
ガソリンスタンド及び燃料販売店も売上高+0.3%と4月の小売売上高増加に寄与しましたが、数量ベースでは、ガソリンスタンド及び燃料販売店は-1.5%の減少となりました。
季節調整済みベースでの2023年4月の小売Eコマース売上高は前月比-6.1%の36億ドルとなり、小売売上高全体に占める割合は3月の5.9%から5.5%へと減少しました。
出典 :
Retail trade, April 2023 | Statistics Canada
Canada Retail Sales MoM | Investing.com
カナダ 統計局 の発表によると、2023年5月のカナダの雇用者数は2,011万3,000人となり、前月からの増減者数は予想+2万3,200人に対して-1万7,300人で前月比-0.1%、失業率は予想5.1%に対して5.2%とどちらも予想よりも悪い結果となりました。
15歳から24歳の若者の雇用者数が7万7,000人 (-2.8%) 減少し、25歳から54歳では6万3,000人 (+0.5%) の増加となり、それ以外ではほとんど変化がありませんでした。失業率は前月から0.2ポイント上昇しています。雇用者数の減少と失業率の上昇はともに2022年8月以来の悪化となっています。
州別に見ると、オンタリオ州は-2万4000人 (-0.3%)、ノバスコシア州は-5200人 (-1.0%)、ニューファンドランド・ラブラドル州は-4200人 (-1.8%) で減少し、マニトバ州は+8200人 (+1.2%) と増加しました。その他の州ではほとんど変化がありませんでした。
2023年5月の平均時給は前年同月比で+5.1%の上昇 (+1.61ドル 33.25ドル) となりました (季節調整なし)。
出典 :
Labour Force Survey, May 2023 | Statistics Canada
Canada Employment Change | Investing.com
Canada Unemployment Rate | Investing.com
カナダ 統計局 によると、2023年3月のカナダの実質GDP (国内総生産) は、前月比+0.0%の約2兆827億 カナダドルとなり横ばいとなりました。
鉱業・採石業・石油ガス採掘業が3ヶ月連続で拡大し前月比+1.2%、また、公共部門 (教育サービス、医療社会補助、行政を合わせたもの) も上昇の勢いが続き+0.3%となりました。
出典 :
Gross domestic product by industry, March 2023 | Statistics Canada
Canada Gross Domestic Product (GDP) MoM | Investing.com
カナダ 統計局 によると、2023年3月のカナダ小売売上高は前月比-1.4%の653億カナダドルとなりました。自動車及び部品販売店の売上が-4.4%、ガソリンスタンド及び燃料販売店の売上が-3.9%の減少など、小売業の9つのセクターのうち55.5%を占める5つのセクターで売上が減少しました。
自動車及び部品販売店とガソリンスタンド及び燃料販売店を除いたコア小売売上高は+0.3%増加しています。
2022年9月以降前月比1%以上のマイナス成長となったのは初めてで、2ヶ月連続でマイナスとなったのは2年振りになります。2023年3月は上記自動車・エネルギーの売上減少が大きく影響したことは以下のチャートから分かりますが、今後もこの減少傾向が継続するのか、それとも一過性で戻すのかどうかを見極める必要がありそうです。
2023年3月の小売売上高減少の主な要因は、自動車及び部品販売店の-4.4%で8ヵ月ぶりの減少となり、新車販売店の売上-4.8%やその他自動車販売店の-11.4%もそれに続きました。中古車販売店は+2.6%の売上上昇で、このセクターの中で唯一増加しました。
ガソリンスタンド及び燃料販売店の売上高が-3.9%減少したことも、2023年3月の小売売上高の減少に影響しています。数量ベースでは、ガソリンスタンド及び燃料販売店の売上高は-1.3%減少しました。
2023年3月のコア小売売上高は+0.3%となり4年連続の増加となりました。これは、建材及び園芸用品販売店の売上+1.6%が寄与したことによります。スポーツ用品・ホビー・楽器・書籍・雑貨販売店の売上も+1.6%で増加しました。
季節調整済みベースでの2023年3月の小売Eコマース売上高は前月比+2.2%の38億ドルとなり、小売売上高全体に占める割合は2月の5.7%から5.9%へと増加しました。
出典 :
Retail trade, March 2023 | Statistics Canada
Canada Retail Sales MoM | Investing.com
カナダ 統計局 による2023年4月のカナダの新築住宅価格指数は、前月比で予想-0.1%に対してその通りの値となりました。前月は予想よりも大きく上振れし変調の兆しかと思われたのですが、再度マイナスとなりました。
同指数は利上げに伴う住宅ローン金利上昇の影響で2022年9月以降一度も前月比で上昇しておらず、新築住宅市場の冷え込みは続いています。調査対象となった27の国勢調査都市圏 (CMA) のうち、20の都市圏で価格が下落または横ばいとなり7つの都市圏で価格が上昇しました。
2023年4月に最も価格が下がったのは、ロンドンの-1.0%とゲルフの-0.8%でした。カナダで最も高価な住宅市場であるバンクーバーとトロントでは新築住宅価格に変化はありませんでした。
最も価格が上昇したのは、ケベック州の+2.0%とウィニペグ+1.1%です。これらの都市圏の建設業者によると、価格の上昇は主に住宅建設コストに影響されており、熟練労働者の不足と材料費の上昇によるとしています。
出典 :
New Housing Price Index, April 2023 | Statistics Canada
Canada New Housing Price Index MoM | Investing.com
カナダ 統計局 によると、カナダの2023年4月の消費者物価指数 CPI (インフレ率) は、事前の前年同月比の予想+4.1%に対して0.3ポイント高い+4.4%となりました。これは3月の+4.3%よりも高い値で、2022年6月から毎月続いていた上昇率の鈍化が止まりました。
前月比は3月の+0.5%に続き4月も+0.7%の上昇となりました。主に住宅ローン金利コストと家賃価格が、このインフレ率上昇につながっています。
2023年4月のガソリン価格は前月比で+6.3%の上昇となり、2022年10月以降で最大の月間上昇率となりました。この上昇は、OPEC+から原油の減産が発表され価格が上昇したことを受けたもので、また、サマーブレンドへの切り替えや炭素税の引き上げも価格上昇に影響しました。
ロシアのウクライナ侵攻の影響もありガソリン価格が上昇した2022年4月と比較すると、前年同月比で-7.7%低くなっていますが、侵攻以前の1年半前と比較するとガソリン価格は10.0%上昇しています。
住宅コスト (shelter costs) は2023年3月の前年同月比+5.4%に続いて4月は+4.9%となりました。住宅ローン金利の上昇により2022年4月と比較して金利コストの支払いは+28.5%も増加しています。また、高金利環境は賃貸需要の拡大を促し2023年4月の家賃価格の上昇+6.1%にも影響を及ぼしていると考えられます。
一方で、住宅買替えコスト (homeowners’ replacement cost) は前年同月比で2023年4月は+0.2%と12ヶ月連続で上昇が鈍化、住宅市場の全般的な冷え込みを反映しています。
食料品の価格は、前年同期比で2023年3月の+9.7%と比較して4月は+9.1%と少し上昇率が鈍化しました。特に、生鮮野菜の値上がりが鈍化し、主に2022年12月の過去最高価格から下落したレタスの-3.3%の値下がりが最も貢献しました。
生鮮果実の価格は、前年同月比で3月の+7.1%の上昇に続き4月は8.3%の上昇となり、この増加はオレンジの価格が+12.0%上昇したことが最も影響しています。
出典 :
Consumer Price Index, April 2023 | Statistics Canada
Canada Consumer Price Index (CPI) YoY | Investing.com
カナダ 統計局 の発表によると、2023年4月のカナダの雇用者数は2,013万人となり、前月からの増減者数は予想+2万人に対して+4万1,400人で前月比+0.2%、失業率は予想5.1%に対して5.0%とどちらも予想よりも良い結果となりました。
雇用者数の増加分はすべてパートタイム雇用であり、フルタイム雇用は減少しています。雇用者数は2022年9月以降上昇が続いており、失業率は2022年12月以降歴史的な低さを維持している状態です。
2023年4月の平均時給は前年同月比で+5.2%の+1.66ドルで33.38ドルに上昇しました (季節調整なし)。
2023年4月の増加雇用者数4万1,400人の内訳として、パートタイム雇用は+4万7,600人で+1.3%となり、フルタイム雇用は-6,200人で減少となりました。パートタイム雇用増加分のうち1万8,000人をコア年齢層 (25〜54歳) の男性が占めています。パートタイム雇用の顕著な増加は2022年10月以来となります。
4月の雇用者数のうちパートタイムで働く人の割合は18.1%で前年同月の18.7%とほぼ同じ水準です。また、パートタイムで働く人のうち15.2%が非自発的にそうしており (つまり正社員を希望していた)、この割合も前年同月の15.3%とほぼ同じでした (季節調整なし)。
2023年4月の失業率は予想5.1%に対して5.0%と良い結果となりました。失業率は2022年12月以降5.0%で横ばいとなっており、2022年6月と7月に観測された過去最低の4.9%に近い水準で推移しています。
失業者数は110万人で、過半数 (64.3%) が13週間以下の失業者でした。27週以上の長期失業者の割合は15.4%で前年同月の19.5%から減少し、2020年2月のパンデミック前の割合15.3%とほぼ同じになっています。
全人口のうち就業している人の割合を示す就業率は65.6%と安定しています。
卸売・小売業の雇用は2023年2月と3月はわずかな変化でしたが、1月の5万9,000人の上昇に続き4月は2万4,000人 +0.8%と大きく増加しました。
運輸・倉庫業の雇用者数は、3月の顕著な増加+4万1,000人 +4.2%に続き、4月も1万7,000人 +1.6%の増加となりました。
情報・文化・レクリエーション業の雇用は直近3ヶ月間あまり変化がありませんでしたが、4月は1万6,000人 +1.9%増加し、教育サービス業でも雇用は直近2ヶ月間ほとんど変化がなかったのですが、4月に1万5,000人 +1.0%増加しました。
2023年4月の雇用者数が大きく減少したのは、ビジネス・建築・その他サポートサービスで-1万4,000人 -1.9%でした。
出典 :
Labour Force Survey, April 2023 | Statistics Canada
Canada Employment Change | Investing.com
Canada Unemployment Rate | Investing.com
カナダ 統計局 によると、2023年2月のカナダの実質GDP (国内総生産) は、約2兆830億カナダドル (2,082,634 Bil. | 約209兆円) となりました。
前月比で予想+0.2%に対して+0.1%と低い結果となりましたが、前月1月の前月比が+0.5%から+0.6%へと上昇修正されています。製造業とサービス業ともに+0.1%となり、20セクター中12セクターで増加となっています。
セクター別に見ると、公共部門、専門・科学・技術サービス、金融・保険などが増加しましたが、卸売業、小売業などの減少により一部相殺されました。
出典 :
Gross domestic product by industry, February 2023 | Statistics Canada
Canada Gross Domestic Product (GDP) MoM | Investing.com
カナダ 統計局 によると、カナダの新築住宅価格指数は、前月比で予想-0.5%に対して0.0%と上回りました。同指数は、利上げに伴う住宅ローン金利上昇の影響で過去7ヶ月間で5ヶ月低下していましたが、今回の予想に対する上振れは新築住宅価格の変調の兆しとなるでしょうか。
出典 :
New Housing Price Index, March 2023 | Statistics Canada
Canada New Housing Price Index MoM | Investing.com
カナダ 統計局 によると、2023年2月のカナダ小売売上高は663億カナダドルとなり、前月比で予想-0.6%に対して-0.2%と上回りました。
小売業の48.0%を占める9つのセクターのうち4つのセクターで売上が減少しました。この減少は主に、ガソリンスタンド及び燃料販売店の-5.0%、一般商品小売店の-1.6%の売上高減少に起因しています。
ガソリンスタンド及び燃料販売店と自動車及び部品販売店を除いたコア小売売上高は0.1%増加しています。
2023年2月の小売売上高減少の主な要因は、ガソリンスタンド及び燃料販売店の売上高-5.0%です。ガソリン価格は、米国の原油在庫が増加したことにより、調整前ベースで1.0%の下落となりました。
売上高が増加したのは、自動車及び部品販売店の+0.9%で、7ヶ月連続の増加となりました。この売り上げ増加は、新車販売店が+0.7%、中古車販売店が+4.2%、自動車部品・付属品・タイヤ販売店が+2.5%の増加によってもたらされました。
2023年2月のコア小売売上高は、衣料品・服飾雑貨・靴・宝飾品・鞄・皮革製品販売店の+4.4%の売上高増加に牽引され+0.1%の増加となりました。中でも衣類・衣類付属品販売店の売上高は+4.9%となり前年同月以来最大の増加率を記録しています。
コア小売業売上高を最も減少させたのは、一般商品小売店の-1.6%でした。同サブセクターの売上高は、過去4ヶ月のうち2ヶ月間減少しています。
季節調整済みベースでの2023年2月の小売Eコマース売上高は前月比+7.8%の37億ドルとなり、小売売上高全体に占める割合は1月の5.1%から5.5%へと増加しました。
出典 :
Retail trade, February 2023 | Statistics Canada
Canada Retail Sales MoM | Investing.com
カナダ 統計局 によると、カナダの2023年3月の消費者物価指数 CPI (インフレ率) は、2月の前年同月比+5.2%に続き+4.3%となり上昇は大きく鈍化、2021年8月以来の最小の上昇率となりました。事前の予想+4.4%に対して-0.1ポイント低い率となっています。
食品とエネルギーを除いたコアインフレ率は、2月の前年同月比+4.8%に続き3月は+4.5%とこちらも上昇が減速して来ています。
前月比では、2023年2月の+0.4%に対し3月は+0.5%となりました。これは3月休暇中の季節需要 (旅行など) の増加によるところが大きかったといえます。
インフレ率の上昇はここ数ヶ月で鈍化しているように思えますが、物価は依然高い水準にあり、例えば、6ヶ月前と比べると+1.7%、1年半前と比べると+8.7%上昇している状態です。
2023年3月のガソリン価格は、2ヶ月連続で前年同月比を大きく下回り (-13.8%)、2020年7月以降で最大の年間下落幅となりました。この下落は、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー供給不安の結果、ガソリン価格が前月比+11.8%上昇した2022年3月の急騰が主な要因になります。
住宅買い替えコストは、住宅市場の全般的な冷え込みを反映し、2月の前年同期比は+3.3%で3月は+1.7%と引き続き減速して来ました。
一方、住宅ローン金利コストは2月の前年同月比+23.9%に対し3月は+26.4%とより速いペースで上昇しています。これはより高い金利での住宅ローンの開始や更新があったためで過去最大の年間増加率となりました。
生産地域の天候不順による供給制約、及び飼料、エネルギー、包装材料などのコストの上昇圧力によって、食料品価格は先月まで7ヶ月連続で前年同月比2桁%の値上がりを記録し高止まりしていましたが、2023年3月の食料品価格は、2月の+10.6%に対し+9.7%と上昇幅が小さくなりました。
この上昇の鈍化は生鮮青果の価格低下に起因しています。生鮮果実の価格は、2023年2月の前年同月比+10.5%の後3月は+7.1%となり、特にぶどうとオレンジの価格が減速に最も貢献しました。
同様に、生鮮野菜の価格も、前年同月比で2月の+13.4%に対し3月は+10.8%と減速し、主にきゅうりやセロリの価格が減速を牽引しました。
出典 :
Consumer Price Index, March 2023 | Statistics Canada
Canada Consumer Price Index (CPI) YoY | Investing.com