[2023年5月] カナダドル 円 為替 考察
5月の概況
カナダドル 円 (CAD / JPY) 2023年5月の為替動向についての考察です。
2022年12月から1カナダドル101円から94円の間で推移して来ましたが、2023年3月24日に今年最安値94.07円を付けて以降上昇基調 (カナダドル高 / 日本円安) が続いており、5月に入って度々101円を上に抜けましたが明確に越えていくことは出来ず今週は100.14円で終了しました。
経済指標の影響
2023年5月はカナダの 政策金利 の発表はありませんが既に 雇用統計 は発表されており、雇用者数と失業率ともに予想よりも良い値となっています。 小売売上高 や GDP の発表は今月まだですが、この3指標はいずれも高止まりしている状態です。
16日には 消費者物価指数 (CPI) が発表される予定です。前月の発表 で2021年12月振りに5%を割り今回の予想でも4.1%になっており、もし予想値以下となるとインフレの沈静化がより進んだとの思惑で利下げの折り込みが現実的になるのではないでしょうか。
原油価格の動向
WTI原油価格は、4月にギャップアップ (間を空けて上下どちらかに大きく動くこと) で大きく上昇したのですが、結局その後最安値を更新するほどに大きく下落してしまいました。
原油の下落基調はまだ続くのではないでしょうか。
※ カナダは世界第4位の産油国で原油などの資源価格が少なからず通貨の強弱に影響します
インフレ率に注目
経済指標の高止まりからの下落折り込みやインフレ率上昇幅の鈍化から、この数ヶ月間カナダドル売りが進むと推測して来たのですが、円の影響の方が強くカナダ円は逆に上昇して来ている状態です。
5月については、カナダ中央銀行による政策金利の発表と日銀の金融政策決定会合が無いため、インフレ率 (消費者物価指数 CPI) が一番注目されるイベントとなるかと思います。
上記の通り、カナダのインフレ率は大きく下がって来ており、今回予想値よりも低ければインフレが収まりつつあるとのことで、カナダドル売りにつながるのではないでしょうか。
円は米国株が下がる環境で円買い (円高) が起きることが多いのですが、金利据え置きの折り込みなどから現在米国株は堅調でドル円も大きく落ちないことから、上がっても下がる、下がっても上がるというような動きになるのではと考えています。