CPI インフレ率,  経済指標

カナダ CPI インフレ率は上昇鈍化 エネルギー・食料品価格が落ち着く 2023年3月

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概況

カナダ 統計局 によると、カナダの2023年3月の消費者物価指数 CPI (インフレ率) は、2月の前年同月比+5.2%に続き+4.3%となり上昇は大きく鈍化、2021年8月以来の最小の上昇率となりました。事前の予想+4.4%に対して-0.1ポイント低い率となっています。

食品とエネルギーを除いたコアインフレ率は、2月の前年同月比+4.8%に続き3月は+4.5%とこちらも上昇が減速して来ています。

前月比では、2023年2月の+0.4%に対し3月は+0.5%となりました。これは3月休暇中の季節需要 (旅行など) の増加によるところが大きかったといえます。

インフレ率の上昇はここ数ヶ月で鈍化しているように思えますが、物価は依然高い水準にあり、例えば、6ヶ月前と比べると+1.7%、1年半前と比べると+8.7%上昇している状態です。

ガソリン価格は2ヶ月連続で前年同月比が下落

2023年3月のガソリン価格は、2ヶ月連続で前年同月比を大きく下回り (-13.8%)、2020年7月以降で最大の年間下落幅となりました。この下落は、ロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー供給不安の結果、ガソリン価格が前月比+11.8%上昇した2022年3月の急騰が主な要因になります。

住宅買替費用の上昇は鈍化するも住宅ローン費用は過去最速ペースで上昇

住宅買い替えコストは、住宅市場の全般的な冷え込みを反映し、2月の前年同期比は+3.3%で3月は+1.7%と引き続き減速して来ました。

一方、住宅ローン金利コストは2月の前年同月比+23.9%に対し3月は+26.4%とより速いペースで上昇しています。これはより高い金利での住宅ローンの開始や更新があったためで過去最大の年間増加率となりました。

食料品価格の上昇ペースはやっと緩やかに

生産地域の天候不順による供給制約、及び飼料、エネルギー、包装材料などのコストの上昇圧力によって、食料品価格は先月まで7ヶ月連続で前年同月比2桁%の値上がりを記録し高止まりしていましたが、2023年3月の食料品価格は、2月の+10.6%に対し+9.7%と上昇幅が小さくなりました。

この上昇の鈍化は生鮮青果の価格低下に起因しています。生鮮果実の価格は、2023年2月の前年同月比+10.5%の後3月は+7.1%となり、特にぶどうとオレンジの価格が減速に最も貢献しました。

同様に、生鮮野菜の価格も、前年同月比で2月の+13.4%に対し3月は+10.8%と減速し、主にきゅうりやセロリの価格が減速を牽引しました。

出典 :
Consumer Price Index, March 2023 | Statistics Canada
Canada Consumer Price Index (CPI) YoY | Investing.com