Category: 経済指標

  • カナダ 雇用統計 雇用者数は増加し失業率は引き続き低水準 2023年3月

    カナダ 雇用統計 雇用者数は増加し失業率は引き続き低水準 2023年3月

    概況

    カナダ 統計局 の発表によると、2023年3月のカナダの雇用者数は2,008万9,000人となり、前月からの増減者数は予想+1万2,000人に対して+3万4,700人で前月比+0.2%、失業率は予想5.1%に対して5.0%とどちらも予想よりも良い結果となりました。

    雇用者数は2022年9月以降上昇傾向が続いています。9月からの雇用者増加数合計は38万3,000人で+1.9%となっています。

    平均時給は季節調整なしで、前年同月比+5.3%となり+$1.68で$33.12に上昇しました。

    運輸倉庫業を筆頭に3業種で雇用が増加

    運輸倉庫業の雇用者数は、2月はほとんど変化がありませんでしたが、3月は+4万1,000人で+4.2%となり、2022年2月から2023年1月までの-4万1,000人の減少を相殺しました。

    ビジネス・建築・その他サポートサービスも3万1,000人増加し+4.4%となり、前月比では2021年11月以来の増加となりました。金融・保険・不動産・賃貸・リースは+1万9,000人で+1.3%となり、過去1年間の上昇傾向が続いています。

    一方、建設業は-19,000人で-1.2%、個人・修理業・その他サービスは-1万1,000人で-1.5%、天然資源は-1万1,000人で-3.2%と雇用者数は減少しました。

    Canada Employment Change

    失業率は4ヶ月連続で横ばい

    2023年3月の失業率は5.0%となり、2022年6月と7月に観測された過去最低の4.9%をわずかに上回ったものの、12月から4ヶ月連続でこの低水準を維持しています。

    2023年3月の失業者の多く (63.4%) は、失業期間が13週間以下で、27週以上の長期失業者の割合は16.0%となり、前年の20.3%から減少しました。

    コア年齢層 (25〜54歳) の女性と男性の失業率は、過去12ヶ月間歴史的な低水準で推移しています。2023年3月はどちらもほとんど変化が無く、コア年齢層の女性の失業率は4.2%で男性は4.4%でした。

    Canada Unemployment Rate

    出典 :

    Labour Force Survey, March 2023 | Statistics Canada
    Canada Employment Change | Investing.com
    Canada Unemployment Rate | Investing.com

  • カナダ GDP 大きくリバウンドして上昇 2023年1月

    カナダ GDP 大きくリバウンドして上昇 2023年1月

    カナダ 統計局 によると、2023年1月のカナダの実質GDP (国内総生産) は、約2兆790億カナダドル (2,078,723 Bil. | 約203兆円) となり、前月比で予想+0.3%に対して+0.5%と良い結果となりました。製造業が+0.4%、サービス業が+0.6%とともに増加し、20セクター中17セクターで増加となっています。

    前月2022年12月は前月比で予想を下回り-0.1%となり、2021年8月 (改定値) 以来のマイナスとなったため、ついに成長に陰りが見え始めたかと思われましたが大きくリバウンドしました。

    Real gross domestic product rises in January

    2023年1月の成長の主な要因は、卸売業、運輸倉庫業、鉱業・採石業・石油ガス採掘業がいずれも前月の減少から回復したことです。また、2022年後半に比較的横ばいで推移していた宿泊・飲食サービス業の活動も成長に転じたことも要因の一つです。

    Canada Gross Domestic Product (GDP) MoM

    出典 :
    Gross domestic product by industry, January 2023 | Statistics Canada
    Canada Gross Domestic Product (GDP) MoM | Investing.com

  • カナダ 小売売上高 2023年1月

    カナダ 小売売上高 2023年1月

    カナダ 統計局 によると、2023年1月のカナダ小売売上高は664億カナダドルとなり、前月比で予想+0.7%に対して+1.4%と上回りました。

    小売業の88.7%を占める9つのセクターのうち7つのセクターで売上が増加しました。この増加は主に、自動車及び部品販売店の+3.0% (6ヶ月連続の増加) とガソリンスタンド及び燃料販売店の+2.9%の売上増に牽引されました。

    ガソリンと自動車などを除いたコア小売売上高は+0.5%のため、左記2セクターの影響が大きかったといえます。

    上記以外でコア小売売上高増加に寄与したのは、食料品及び飲料小売業で、ビール・ワイン・酒類小売店が+2.3%、コンビニエンスストア及び自動販売機オペレーターが+6.0%、専門食品小売店が+3.3%でした。

    逆に売上が減少したセクターは、スポーツ用品・ホビー・楽器・書籍・雑貨小売業で-1.2%で、このセクターの売上高は直近7ヶ月間のうち5ヶ月間減少しています。

    Canada Retail Sales MoM

    出典 :
    Retail trade, January 2023 | Statistics Canada
    Canada Retail Sales MoM | Investing.com

  • カナダ 新築住宅価格、2月も下落が続く 2023年2月

    カナダ 新築住宅価格、2月も下落が続く 2023年2月

    カナダ 住宅 関連記事

    カナダ 統計局 によると、カナダの新築住宅価格指数は、前月比で予想-0.1%に対して-0.2%と下回りました。同指数は、過去6ヶ月間で5ヶ月低下しています。また、調査対象となった27の国勢調査都市圏のうち25都市圏で価格が下落または横ばい、2都市圏で上昇しました。

    カナダ中央銀行が1月に行った利上げが住宅ローンコストの上昇に影響し、引き続き、新築住宅価格は下落基調にあります。

    Canada New Housing Price Index MoM

    出典 :
    New Housing Price Index, February 2023 | Statistics Canada
    Canada New Housing Price Index MoM | Investing.com

  • カナダ CPI インフレ改善も食料品高止まり 2023年2月

    カナダ CPI インフレ改善も食料品高止まり 2023年2月

    カナダ CPI インフレ率 消費者物価指数 関連記事

    概況

    カナダ 統計局 によると、カナダの消費者物価指数 CPI (インフレ率) は、2023年1月の+5.9%に続き2月の前年同月比は+5.2%となり上昇はさらに鈍化、2020年4月以降で減速幅が最大となりました。事前の予想+5.4%に対しても-0.2ポイントと低い値となっています。

    この前年同月比の減速は、昨年2月の物価が前月比+1.0%と急伸したことに起因するところもあります。

    食品とエネルギーを除く物価は、2023年2月の前年同月比は+4.8% (1月は+4.9%)、住宅ローン金利費用を除く全項目は+4.7% (1月は+5.4%) と双方ともに前月の値を下回りました。

    前月比では、1月の+0.5%に続き2月は+0.4%となりました。1月と比較して2月は住宅ローン金利の支払いが多くなりましたがエネルギー価格の下落により一部相殺されました。

    インフレ率はここ数ヶ月で鈍化しており落ち着きつつあるように見えますが、6ヶ月前と比べるとまだ1.2%上昇しており物価は依然として高い水準にあります。1年半前と比較するとインフレ率はまだ8.3%上昇している状況です。

    Canada Consumer Price Index (CPI) YoY

    食料品の価格は高止まり

    2023年2月の食料品販売店での価格は前年同月比+10.6%となり、7ヶ月連続で2桁の上昇を記録しました。食料品価格の上昇圧力は、生産地域の天候不順による供給制約、及び飼料、エネルギー、包装材料などのコストの上昇によって続いている状況です。

    穀物製品 +14.8%、砂糖・菓子類 +6.0%、魚介類・その他水産物 +7.4%など、一部の食料品の価格上昇は2月の前年同月比で加速しています。一方、ノンアルコール飲料 +11.1%、肉類 +6.2%、野菜・野菜調理品 +13.9%、ベーカリー製品 +13.9%、乳製品 +9.1%などの価格上昇は鈍化しました。

    供給拡大でエネルギー価格は下落

    2023年2月のエネルギー価格は、前年同月比で-0.6%となり、1月の+5.4%と比較すると大きく下落しました。ガソリン価格の-4.7%がこの下落を牽引しており、2021年1月以来の前年同月比マイナスとなりました。

    ガソリン価格の前年同月比低下については、2022年初頭のロシアのウクライナ侵攻時に価格が急上昇し始めたことが大きく影響しています。

    住居費の上昇ペースは3ヶ月連続で緩やかに鈍化

    2023年2月の住居費は、+6.1%と3ヵ月連続で前年同月比の上昇ペースが鈍化してきました。新築住宅価格指数の前年同月比も、1月の+4.3%に比べると2月は+3.3%とで鈍化してきています。不動産の売却手数料を含むその他の所有宿泊費も+0.2%と2月に減速しました。これらの動きは、住宅市場の全般的な冷え込みを反映しています。

    逆に、住宅ローン金利指数は、1月の+21.2%と比較して2月は+23.9%と前年同月比で増加し、1982年7月以来最も速い上昇ペースとなりました。3月8日にカナダ中銀は政策金利の据え置きを発表しましたが、この上昇はまだ金利が上昇している環境下で発生したものになります。

    出典 :
    Consumer Price Index, February 2023 | Statistics Canada
    Canada Consumer Price Index (CPI) YoY | Investing.com

  • カナダ 失業率 雇用統計 堅調に推移するも前月と同水準に 2023年2月

    カナダ 失業率 雇用統計 堅調に推移するも前月と同水準に 2023年2月

    カナダ 統計局 の発表によると、2023年2月時点でのカナダの雇用者数は2,005万4,100人となり、前月からの増減者数は予想+1万人に対して+2万1,800人 +0.1%、失業率は予想5.1%に対して5.0%とどちらも予想よりも良い結果となりました。

    12月の+6万9,200人 +0.3%、1月の+15万人 +0.8%と2ヶ月連続で大幅に増加して来ましたが、今回2月はほとんど変化がなく横ばいで1月と同程度の水準にとどまりました。雇用者数は2022年9月以降毎月増加傾向にあります。

    主に雇用者数が増加したのは、医療・社会福祉+1万5,000人 +0.6%、行政機関+1万人 +0.9%、公益機関+7,500人、+5.0%で、一方主に減少したのは、建設・その他サポートサービス-11,000人 -1.5%でした。

    州別に見ると、ニューブランズウィック州+5,100人 +1.3%、マニトバ州+4,900人 +0.7%、ニューファンドランド・ラブラドル州+3,800人 +1.6%、プリンスエドワード島+1,700人 +2.0%で雇用者数が増加、ノバスコシア州-4,700人、-0.9%では減少、その他の州では雇用数にほとんど変化はありませんでした。

    平均時給は前年同月比 (季節調整なし) で、+5.4% +1.69ドルの33.16ドルでした。

    Employment in February remains on par with January level
    Canada Employment Change
    Canada Unemployment Rate

    出典 :

    Labour Force Survey, February 2023 | Statistics Canada
    Canada Employment Change | Investing.com
    Canada Unemployment Rate | Investing.com

  • カナダ GDP 約1年半ぶりの前月比マイナス成長 2022年12月

    カナダ GDP 約1年半ぶりの前月比マイナス成長 2022年12月

    カナダ 統計局 によると、2022年12月カナダの実質GDP (国内総生産) は、2兆680億カナダドル (2,068.60 Bil. | 約200兆円) となり、前月比で+0.1%の予想に対して-0.1%となりました。マイナス成長となったのは2021年8月 (改定値) 以来のことで、予測を下回ったのも1年ぶりとなります。

    Canada Gross Domestic Product (GDP) MoM

    20の産業分野のうち12分野でプラス成長したものの、計画外のメンテナンスが石油・ガス採掘業に大きく影響したことが原因となり、2022年最後の月の活動は全体で見ると縮小となりました。

    以下のチャートの通り、全体でマイナス成長とはなったものの、一つの産業が大きく足を引っ張っている状態のため、経済成長が止まったかどうかの判断にはまだ早いと考えます。

    Main industrial sectors’ contribution to the percent change in gross domestic product in December

    2022年は下半期に成長が減速したものの、実質GDPは20の産業分野のうち19分野の増加し、前年同月比では2.3%拡大しました。

    出典 :
    Gross domestic product by industry, December 2022 | Statistics Canada
    Canada Gross Domestic Product (GDP) MoM | Investing.com

  • カナダ 住宅ローン金利の上昇が新築住宅価格へ下落圧力 2023年1月

    カナダ 住宅ローン金利の上昇が新築住宅価格へ下落圧力 2023年1月

    カナダ 住宅 関連記事

    カナダ 統計局 によると、2023年1月のカナダ新築住宅価格指数は、前月比で予想+0.1%に対して-0.2%と下回り、前月の横ばいから再度下落に転じました。

    調査対象となった27の国勢調査都市圏 (Census Metropolitan Areas) のうち25都市圏で価格が下落または横ばい、2都市圏 (セントジョンズとカルガリー) でのみ価格が上昇しています。

    カナダ中銀が1月に政策金利を25bp追加引き上げて4.5%としたため、借入コストは再び上昇しました。住宅ローン金利の上昇に伴い住宅購入需要にも影響が出て来ており、新築住宅価格への下落圧力が続いています。

    カナダ抵当・住宅公社 (Canada Mortgage and Housing Corporation) によると、2022年12月の一戸建て住宅完成後の未販売在庫 (未吸収在庫) は前年同月比で18.7%増加しています。

    New Housing Price Index
    Canada New Housing Price Index MoM

    出典 :
    New Housing Price Index, January 2023 | Statistics Canada
    Canada New Housing Price Index MoM | Investing.com

  • カナダ 小売売上高 2022年12月

    カナダ 小売売上高 2022年12月

    カナダ 統計局 によると、2022年12月のカナダ小売売上高は621億カナダドル、前月比で予想+0.4%に対して+0.5%と上回りました。

    小売業の11のサブセクターのうち75.1%を占める7つのサブセクターで売上高が増加しています。主に、自動車及び部品販売店の+3.8%と総合スーパーの+1.7%の売上が全体の増加を牽引しました。

    2022年12月のカナダ小売Eコマースの売上高は季節調整済みベースで前月比-5.7%でした。調整前ベースでは、前年同月比-2.4%の44億ドルで小売売上高全体の6.5%を占めました。

    カナダ EC化率 の記事にある eMarketer による2022年カナダの小売EC化率 (Retail Ecommerce Sales / Total Retail Sales) は13.6% (2022年6月) とあるため、データに差がある状態です。

    Canada Retail Sales MoM

    出典 :
    Retail trade, December 2022 | Statistics Canada
    Canada Retail Sales MoM | Investing.com

  • カナダ 消費者物価指数 CPI 2023年1月

    カナダ 消費者物価指数 CPI 2023年1月

    カナダ CPI インフレ率 消費者物価指数 関連記事

    カナダ 統計局 によると、2023年1月の消費者物価指数 CPI (インフレ率) は、前年同月比で予想+6.1%の上昇に対して0.2ポイント届かず+5.9%となり伸びが鈍化しました。前月との比較では予想+0.7%に対して+0.5%となり、両方の予想比較で下振れしたことになります。

    前月比で、最も上昇に影響したのはガソリン価格で+4.7%の上昇でした。この価格上昇は、冬の嵐 (Elliot) による米国南西部の製油所閉鎖に関連しています。次いで住宅ローン金利、食肉価格の上昇が続きました。

    前年同月比でのガソリン価格は+2.9%の上昇で、12月の+3.0%上昇からわずかに減速しています。

    2022年12月の前年同月比+6.3%に比べて1月は+5.9%と物価の上昇が鈍化しましたが、1年前の2022年1月は、ロシアのウクライナ侵攻の脅威の中で緊張が高まり、サプライチェーンの混乱や住宅価格の上昇と相まって物価上昇が強かった月のため比較的伸びが鈍化したように見えるのかもしれません。

    Canada Consumer Price Index (CPI) YoY

    出典 :
    Consumer Price Index, January 2023 | Statistics Canada
    Canada Consumer Price Index (CPI) YoY | Investing.com

  • カナダ 雇用統計 2023年1月

    カナダ 雇用統計 2023年1月

    概況

    カナダ 統計局 の発表によると、2023年1月の雇用者数は予想1万5,000人に対して15万人、失業率は予想5.1%に対して5.0%とどちらも予想よりも良い結果となりました。

    主に25〜54歳の層で雇用者数10万人増加の前月比+0.8%と全体を牽引しました。このグループは女性と男性の両方ともに顕著に増加しています。

    55歳以上の層は4万3,000人増加の前月比+1.0%で伸び率としては最大となり、15〜24歳の若年層ではほとんど変化はありませんでした。

    予想の10倍の結果となった雇用者数ですが、前月分の下方修正 (10万4,000人から6万9,200人) もあり、統計の精度に疑問は残りますが、雇用者数はアップトレンドであり失業率も安定しており、雇用については引き続き良い状態を維持していると言えるでしょう。

    Employment on Upward Trend
    Canada Employment Change
    Canada Unemployment Rate

    非永住者の顕著な雇用の伸び

    2022年第3四半期の人口統計によると、カナダの人口は過去50年間で最も速いペースで増加し、主に非永住者 (カナダ生まれではなく永住権を持ったことのない) の増加によって牽引されました。

    前年同月比で、2023年1月の雇用者全体の伸び率が前月比+2.8% (+53万6,000人) であったのに対し、非永住者グループは+13.3% (+7万9,000人) と大きく伸びています。このグループが雇用者全体に占める割合は3.4%で、前年同月比で0.3ポイント上昇しています (3ヶ月移動平均、季節調整なし)。

    非永住者は、科学・技術サービスで13.1%、卸売・小売業で12.3%、宿泊・飲食サービスで11.2%、医療・社会福祉で9.8%など幅広い業種に広がっています (3ヶ月移動平均、季節調整なし)。

    コア年齢層が雇用の伸びを牽引

    コア年齢層 (25〜54歳) の女性グループの雇用者数は、2023年1月に前月比+0.8%の5万1,000人増加しました。このグループの雇用率 (生産年齢人口に占める雇用者数の割合) は0.5ポイント上昇し82.2%と、1976年にデータが提供されて以来最も高い率となりました。前年同月比では、コア年齢女性の雇用率は2.1ポイント上昇しています。

    末子が6歳未満のコア年齢層女性の雇用率は、過去12ヶ月間で72.9%から76.6%へと顕著に上昇しています。幼い子供を持つコア年齢層の女性は一般的に就業率が低いのですが、家計の必要性や育児へのアクセスの変化など、様々な要因を反映していると考えられます。

    2023年1月までの12ヶ月間に、幼い子供を持つコア年齢層女性の雇用率は、マニトバ州とノバスコシア州で低下したもののほとんどの州で上昇しました (季節調整なし)。

    コア年齢層の男性グループの雇用者数は、2023年1月に前月比+0.7%で5万人増加し、このグループの雇用率は0.5ポイント上昇し88.3%となりました。幼い子供を持つコア年齢層男性の雇用率は93.0%となり、前年同月の92.2%から上昇しました (季節調整値なし)。

    前年同月比では、コア年齢層の女性は+4.1% (24万6,000人)、男性は+2.7% (+17万9,000人) でした。

    55~64歳男性の雇用率が過去最高を更新

    55歳以上の2023年1月の雇用者数は前月比+1.0%、4万3,000人の増加となりました。この伸びは55〜64歳の男性グループの+1.4%、2万4,000人の増加に牽引され、雇用率は1.0ポイント上昇し70.5%と、1981年以来の高水準に到達しています。

    同様に、55〜64歳の女性グループの2023年1月の雇用率は59.6%で、こちらは1976年以来の高水準となりました。55〜64歳の雇用率は2022年夏以降、強い上昇傾向にあります。

    前年同月比では、2023年1月の55歳以上の雇用者数は、科学・技術サービスで+17.3%の5万9,000人増、製造業で+6.8%の3万1,000人増、その他サービスで+18.0%の3万人増、医療・社会福祉で+6.0%の3万人増 (いずれも季節調整なし) となり多くの業種で増加となりました。

    平均時給の前年同月比は2ヵ月連続で上昇が鈍化

    2023年1月の平均時給は、前年同月比で4.5% (+1.42ドル、33.01ドル) 上昇し、前月12月の4.8% (+1.49ドル) から少し低下しました (季節調整なし)。前年比の賃金上昇率は2022年6月に5.0%に達し11月に5.8%でピークを迎えています (季節調整なし)。

    2023年1月の前年同月比賃金の伸び率が鈍化しているのは、前年2022年1月の平均賃金が比較的高いことを反映しています。当時はパンデミック関連の公衆衛生上の制約があり、卸売・小売業、宿泊・飲食サービス、情報・文化・娯楽など低賃金産業の雇用が減少し、一時的に平均賃金を押し上げる要因となっていたためです。

    失業率は過去最低水準で推移、労働参加率は上昇

    2023年1月の失業率は5.0%と安定し、2022年6月と7月に観測された過去最低の4.9%にわずかに及びませんが低水準を維持しました。完全失業者数 (生産年齢人口に占める無職で求職活動をしている数) は100万人となり、2022年夏以降に観測された水準とほぼ同じとなりました。

    年齢層別に失業率を見ると、25〜54歳では前月比-0.1ポイントで4.1%と小幅に低下しましたが、55歳以上では+0.2ポイントの4.5%と上昇、15〜24歳のグループではほとんど変化はありませんでした。前年同月比では、すべての層で失業率が低下し、中でも若年層は-3.0ポイントの9.5%と最も大きく低下しました。

    人種グループ別に見ると、前年同月比でコア年齢層の人種グループのほとんどで失業率は低下傾向にありますが、いくつかのグループでは依然として平均を上回っています。

    2023年1月の失業率で、アラブ系8.1%と韓国系8.0%のカナダ人で引き続き最も高く、次いで黒人系7.2%、西アジア系5.8%のカナダ人の順となっています (3ヶ月移動平均、季節調整なし)。

    1月の失業者の大半 (63.9%) は、1週間から13週間と比較的短期間の失業者でした。長期失業者 (27週間以上継続して失業している失業者) の割合は15.8%で、前年同月より19.9%減少しています。

    労働力の規模は拡大し続けています。この1月にはさらに15万3000人 (0.7%増) が労働力として加わり、労働参加率は65.7% (0.3%増) に上昇しました。

    卸売・小売業を筆頭に多くの業種で雇用者数が増加

    2023年1月の雇用者数の増加は業種を問わず広範囲に及びました。卸売・小売業が前月比+2.0%の5万9,000増加と2022年2月以来の目立った伸びとなりました。これは昨年11月の小売業売上高が減少し経済活動が全般的に鈍化したことを受けたものであり、前年同月比では、雇用者数はほとんど変化していません。

    卸売・小売業の雇用者数が増加した州を見ると、ブリティッシュコロンビア州が+1万8,000人の前月比+4.3%、オンタリオ州が+1万6,000人の+1.5%、ケベック州が+1万2,000人の+1.8%など5州に及んでいます。

    医療・社会福祉は、前月12月の減少を補い4万人の雇用増で前月比+1.5%となりました。前年同月比では、4万9,000人の増加で+1.9%となり、この増加は、主にオンタリオ州の+2万2,000人とケベック州+1万1,000人に集中しています。

    2022年11月の求人・賃金調査データによると、医療・社会福祉の求人数は数ヶ月間高止まりしていましたが、わずかに減少した模様です。

    3ヵ月連続で変化のなかった教育サービスの雇用者数は、2023年1月に前月比+1.3%の1万8,000人増加し、12ヶ月前の水準と肩を並べました。この増加の多くはケベック州での+2.6%の+9,000人が占めています。

    2023年1月の建設業の雇用者数は、2022年12月に記録した2万7,000人の増加に続き、1万6,000人増 (+1.0%) となりました。

    前年同月比では+7.6%の11万4,000人の増加となり、宿泊・飲食サービスの+23.0%、情報・文化・娯楽の+12.6%、科学・技術サービスの+8.9%に次いで、建設業は過去12ヵ月間で最も成長した業種の一つとなっています。

    介護や修理・メンテナンスなど様々なサービスを含む、その他サービスの雇用者数は2023年1月に前月比+2.2%の1万6,000人増とこの3ヶ月で2回目の増加となりました。

    運輸倉庫業の雇用者数は前月比-1.7%の1万7,000人となり、2022年3月以来の目立った減少を記録しました。前年同月と比較すると、-3.6%で3万7,000人減少していることになります。

    5つの州で雇用者数が顕著に増加

    オンタリオ州、ケベック州、アルバータ州、ノバスコシア州、サスカチュワン州で雇用者数が増加し、ニューファンドランド・ラブラドール州で減少、その他の州ではほとんど変化がありませんでした。

    オンタリオ州の2023年1月の雇用者数は前月比+0.8%の6万3,000人となり、最も雇用者数が増加した州となりました。同州の失業率は5.2%とほとんど変化はありませんでした。

    ケベック州の1月の雇用者数は前月比+1.1%の4万7,000人の増加となり、こちらも9月以来3回目の大幅な雇用者増となりました。同州の失業率は3.9%と引き続き過去最低水準で推移し、全州のうち最も低い水準となっています。

    アルバータ州での2023年1月の雇用者数は前月比+0.9%で2万1,000人の増加、ノバスコシア州は+1.9%の9,400人増、サスカチュワン州は+0.8%の4,500人増加となっています。

    ニューファンドランド・ラブラドール州は、雇用者数が前月比-1.0%の2,300人減となり前月12月の増加分をほぼ相殺し、1月に雇用者数が減少した唯一の州となりました。

    出典 :

    The Daily — Labour Force Survey, January 2023 | Statistics Canada
    Canada Employment Change | Investing.com
    Canada Unemployment Rate | Investing.com

  • カナダ GDP 国内総生産 2022年11月

    カナダ GDP 国内総生産 2022年11月

    概況

    カナダ 統計局 によると、2022年11月カナダのGDP (国内総生産) は、前月比で10月の+0.1%増に続き、11月も事前予想通りの+0.1%増となり、引き続き経済は良い状態を維持しています。サービス業の伸び+0.2%が製造業の低下-0.1%を相殺しており、20産業のうち14産業がプラス増となっています。

    次月12月のGDPはほぼ横ばいと考えられ、小売業、公益 (utilities) 事業、公共事業が増加、卸売業、金融保険業、鉱業・採石業、石油ガス採掘業が減少すると予想されています。

    Canada Gross Domestic Product (GDP) MoM

    渡航制限の撤廃と金利上昇による影響

    2022年10月1日に陸路、空路、海路でカナダに入国するすべての旅行者に対し、ワクチンとArriveCANアプリの使用義務、またあらゆる検査や検疫の要件を含む新型コロナウイルス感染症 (以下 COVID-19) 国境規制がすべて撤廃されました。この制限の撤廃は11月も引き続き運輸倉庫業の上昇を支えました。

    一方で、2022年にかけてのカナダ中銀による利上げは、既に減少傾向にあった不動産業、住宅建築業、法律サービス業に引き続きマイナスの影響を及ぼしています。

    旅行関連の回復がさらに進み運輸倉庫業が引き続き好調

    運輸倉庫セクターは、すべてのサブセクターが上昇したため3ヶ月連続での増加となりました。中でも航空輸送は11月に+4.6%と大幅に増加し、2ヶ月連続で同セクターの成長に最も貢献しています。国内航空会社の回復が続き2020年1月のパンデミック以来の高水準となりました。

    しかし、10ヵ月連続の上昇にもかかわらず、2022年11月の航空輸送の活動水準はパンデミック以前の水準を約31%も下回っています。

    宿泊サービスも旅行者の宿泊施設利用の増加により11月に+2.5%拡大しました。

    金融保険業は3ヶ月連続の減少から増加に転じる

    3ヶ月連続で減少していた金融保険セクターは、2022年11月に+0.5%の増加を記録し、ウクライナ紛争により取引活動の活発化やカナダへの資金流入が増加した2022年3月以降最大の上昇率となりました。

    最も貢献したサブセクターは信用仲介 (credit intermediation) と通貨当局 (monetary authorities) です。政策金利の上昇が続く中、住宅ローンおよび住宅ローン以外の債務も増加し、銀行での定期預金も増加したことがこれらのサブセクターを押し上げました。

    金融投資サービス、ファンド、その他の金融商品も11月の増加+1.2%に貢献しました。11月に発表された米国の消費者物価指数 CPI (インフレ率) が予想を下回った影響で市中金利が少し低下し、カナダ国内の株式・債券の資産価値が上昇しました。

    建設業は住宅建設活動の縮小が続き不調

    2022年11月の建設セクターは、ほぼすべてのサブセクターで減少し-0.7%減となりました。ただし、エンジニアリングとその他建設活動は例外で+0.5%増と24ヵ月連続のプラスとなっています。

    住宅建設は-1.8%の減少で8ヵ月ぶりのマイナスとなりました。2022年5月に組合に加盟する建設労働者の多くがストライキを行い多数の建設プロジェクトに遅れが生じましたが、それ以降で最大の減少幅となります。

    商業ビルの新築工事は増加したものの、主に一戸建て住宅の新築と住宅改築、補修工事の縮小が大きく影響を及ぼしました。

    小売業の活動も不調

    2022年11月の小売セクターは、-0.6%減少となり12サブセクターのうち8セクターが減少しました。特に目立ったのは、建材園芸用品販売店-2.9%減、食品飲料店-1.8%減、そして、総合スーパー-1.6%減でした。

    食品飲料店は2018年4月以来の低水準の落ち込みとなっています。ビール、ワインなどの酒類店が最も減少しています。ガソリンスタンドの活動増加+4.2%と自動車・部品販売店での増加+1.4%が他の減少を一部相殺しました。

    ガソリン価格について、前月比で10月は+9.2%上昇しましたが11月は-3.6%低下となり (2022年12月の 消費者物価指数 CPI によると12月のガソリン価格も前月比で下落)、主にカナダ西部での価格下落に牽引されました。米国西部における製油所の再開がブリティッシュコロンビア州、アルバータ州、サスカチュワン州、マニトバ州の価格下落に貢献しています。

    宿泊飲食業は飲食サービスの活動低下で縮小

    2022年11月の宿泊飲食セクターは、3ヵ月連続の増加から一転-1.4%縮小しました。特に飲食サービスが前月の増加分を上回る-2.9%の減少となりました。

    2022年前半にCOVID-19オミクロン株の影響から回復した後、同分野の活動は月毎に上昇と下降を交互に繰り返している状態です。

    公共事業は医療サービスに対する高い需要があり引き続き増加

    公共事業セクターは、2022年11月に+0.3%上昇し7ヶ月連続の上昇となりました。行政機関の+0.5%が最も寄与し、次いで医療社会補助が+0.2%でこちらも同じく7ヶ月連続の上昇となりました。

    行政機関の中でも特に、連邦行政 (国防を除く) と州・準州行政がともに+0.7%で上昇に最も寄与しています。

    出典 :
    Gross domestic product by industry, November 2022 | Statistics Canada
    Canada Gross Domestic Product (GDP) MoM | Investing.com