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  • バンクーバー 住宅市場 2023年1月

    バンクーバー 住宅市場 2023年1月

    カナダ 住宅 関連記事

    概況

    WOWA.ca が2023年2月6日に発表した住宅市場レポートによると、2023年1月のグレーターバンクーバーの平均住宅価格は116万3,092 カナダドル (以下 ドル) で、前年同月比-8.7%で前月比-1.7%の下落となりました。メトロバンクーバーは$111万1,400ドルで、こちらも前年同月比-6.6%で前月比-0.3%の下落となりました。

    ベンチマーク価格は、3年間で21%ほど上昇して来ましたが、2022年4月の過去最高価格$126万4,700ドルと比較すると12%低くなっています。カナダ 住宅市場 にあるCREAの数字でも、カナダの宅販売価格は昨年ピークをつけたように見えます。

    Greater Vancouver

    2022年の前半は、バンクーバーの住宅市場にとって極めて売買の激しい忙しい時期でした。しかし、2022年は金利上昇の年であり住宅ローン金利の上昇は、同年後半の市場減速を加速させ、この減速は2023年に入っても続いています。

    2023年1月、バンクーバーの住宅は合計1,022戸 (前月比-21.1%、前年同月比-55.3%) 販売されました。これらは、295 戸の戸建住宅 (前月比-20.5%、前年同月比-53.0%)、156 戸のタウンハウス (前月比-30.0%、前年同月比-55.0%)、571 戸のコンド・アパートメント (前月比-18.7%、前年同月比-57.0%) が含まれています。

    戸建住宅の平均販売価格は191万1,052ドル (前月比-3.7%、前年同月比-16.2%)、タウンハウスの平均販売価格は122万9,445ドル (前月比+5.9%、前年同月比-1.7%)、コンド・アパートメントの平均販売価格は75万8,540ドル (前月比-1.0%、前年同月比-5.7%) でした。

    2023年1月の販売件数と販売価格を見ると、タウンハウス販売価格の前月比以外すべて下落となっています。特に、販売件数の前年同月比は戸建住宅、タウンハウス、コンド・アパートメントすべてにおいて半分以下になっており、この1年間で極めて大きな変化が起きたと言えるでしょう。

    Greater Vancouver Housing Market Overview

    出典 :
    Vancouver Housing Market: Feb 6 2023 | WOWA.ca

  • カナダ 雇用統計 2023年1月

    カナダ 雇用統計 2023年1月

    概況

    カナダ 統計局 の発表によると、2023年1月の雇用者数は予想1万5,000人に対して15万人、失業率は予想5.1%に対して5.0%とどちらも予想よりも良い結果となりました。

    主に25〜54歳の層で雇用者数10万人増加の前月比+0.8%と全体を牽引しました。このグループは女性と男性の両方ともに顕著に増加しています。

    55歳以上の層は4万3,000人増加の前月比+1.0%で伸び率としては最大となり、15〜24歳の若年層ではほとんど変化はありませんでした。

    予想の10倍の結果となった雇用者数ですが、前月分の下方修正 (10万4,000人から6万9,200人) もあり、統計の精度に疑問は残りますが、雇用者数はアップトレンドであり失業率も安定しており、雇用については引き続き良い状態を維持していると言えるでしょう。

    Employment on Upward Trend
    Canada Employment Change
    Canada Unemployment Rate

    非永住者の顕著な雇用の伸び

    2022年第3四半期の人口統計によると、カナダの人口は過去50年間で最も速いペースで増加し、主に非永住者 (カナダ生まれではなく永住権を持ったことのない) の増加によって牽引されました。

    前年同月比で、2023年1月の雇用者全体の伸び率が前月比+2.8% (+53万6,000人) であったのに対し、非永住者グループは+13.3% (+7万9,000人) と大きく伸びています。このグループが雇用者全体に占める割合は3.4%で、前年同月比で0.3ポイント上昇しています (3ヶ月移動平均、季節調整なし)。

    非永住者は、科学・技術サービスで13.1%、卸売・小売業で12.3%、宿泊・飲食サービスで11.2%、医療・社会福祉で9.8%など幅広い業種に広がっています (3ヶ月移動平均、季節調整なし)。

    コア年齢層が雇用の伸びを牽引

    コア年齢層 (25〜54歳) の女性グループの雇用者数は、2023年1月に前月比+0.8%の5万1,000人増加しました。このグループの雇用率 (生産年齢人口に占める雇用者数の割合) は0.5ポイント上昇し82.2%と、1976年にデータが提供されて以来最も高い率となりました。前年同月比では、コア年齢女性の雇用率は2.1ポイント上昇しています。

    末子が6歳未満のコア年齢層女性の雇用率は、過去12ヶ月間で72.9%から76.6%へと顕著に上昇しています。幼い子供を持つコア年齢層の女性は一般的に就業率が低いのですが、家計の必要性や育児へのアクセスの変化など、様々な要因を反映していると考えられます。

    2023年1月までの12ヶ月間に、幼い子供を持つコア年齢層女性の雇用率は、マニトバ州とノバスコシア州で低下したもののほとんどの州で上昇しました (季節調整なし)。

    コア年齢層の男性グループの雇用者数は、2023年1月に前月比+0.7%で5万人増加し、このグループの雇用率は0.5ポイント上昇し88.3%となりました。幼い子供を持つコア年齢層男性の雇用率は93.0%となり、前年同月の92.2%から上昇しました (季節調整値なし)。

    前年同月比では、コア年齢層の女性は+4.1% (24万6,000人)、男性は+2.7% (+17万9,000人) でした。

    55~64歳男性の雇用率が過去最高を更新

    55歳以上の2023年1月の雇用者数は前月比+1.0%、4万3,000人の増加となりました。この伸びは55〜64歳の男性グループの+1.4%、2万4,000人の増加に牽引され、雇用率は1.0ポイント上昇し70.5%と、1981年以来の高水準に到達しています。

    同様に、55〜64歳の女性グループの2023年1月の雇用率は59.6%で、こちらは1976年以来の高水準となりました。55〜64歳の雇用率は2022年夏以降、強い上昇傾向にあります。

    前年同月比では、2023年1月の55歳以上の雇用者数は、科学・技術サービスで+17.3%の5万9,000人増、製造業で+6.8%の3万1,000人増、その他サービスで+18.0%の3万人増、医療・社会福祉で+6.0%の3万人増 (いずれも季節調整なし) となり多くの業種で増加となりました。

    平均時給の前年同月比は2ヵ月連続で上昇が鈍化

    2023年1月の平均時給は、前年同月比で4.5% (+1.42ドル、33.01ドル) 上昇し、前月12月の4.8% (+1.49ドル) から少し低下しました (季節調整なし)。前年比の賃金上昇率は2022年6月に5.0%に達し11月に5.8%でピークを迎えています (季節調整なし)。

    2023年1月の前年同月比賃金の伸び率が鈍化しているのは、前年2022年1月の平均賃金が比較的高いことを反映しています。当時はパンデミック関連の公衆衛生上の制約があり、卸売・小売業、宿泊・飲食サービス、情報・文化・娯楽など低賃金産業の雇用が減少し、一時的に平均賃金を押し上げる要因となっていたためです。

    失業率は過去最低水準で推移、労働参加率は上昇

    2023年1月の失業率は5.0%と安定し、2022年6月と7月に観測された過去最低の4.9%にわずかに及びませんが低水準を維持しました。完全失業者数 (生産年齢人口に占める無職で求職活動をしている数) は100万人となり、2022年夏以降に観測された水準とほぼ同じとなりました。

    年齢層別に失業率を見ると、25〜54歳では前月比-0.1ポイントで4.1%と小幅に低下しましたが、55歳以上では+0.2ポイントの4.5%と上昇、15〜24歳のグループではほとんど変化はありませんでした。前年同月比では、すべての層で失業率が低下し、中でも若年層は-3.0ポイントの9.5%と最も大きく低下しました。

    人種グループ別に見ると、前年同月比でコア年齢層の人種グループのほとんどで失業率は低下傾向にありますが、いくつかのグループでは依然として平均を上回っています。

    2023年1月の失業率で、アラブ系8.1%と韓国系8.0%のカナダ人で引き続き最も高く、次いで黒人系7.2%、西アジア系5.8%のカナダ人の順となっています (3ヶ月移動平均、季節調整なし)。

    1月の失業者の大半 (63.9%) は、1週間から13週間と比較的短期間の失業者でした。長期失業者 (27週間以上継続して失業している失業者) の割合は15.8%で、前年同月より19.9%減少しています。

    労働力の規模は拡大し続けています。この1月にはさらに15万3000人 (0.7%増) が労働力として加わり、労働参加率は65.7% (0.3%増) に上昇しました。

    卸売・小売業を筆頭に多くの業種で雇用者数が増加

    2023年1月の雇用者数の増加は業種を問わず広範囲に及びました。卸売・小売業が前月比+2.0%の5万9,000増加と2022年2月以来の目立った伸びとなりました。これは昨年11月の小売業売上高が減少し経済活動が全般的に鈍化したことを受けたものであり、前年同月比では、雇用者数はほとんど変化していません。

    卸売・小売業の雇用者数が増加した州を見ると、ブリティッシュコロンビア州が+1万8,000人の前月比+4.3%、オンタリオ州が+1万6,000人の+1.5%、ケベック州が+1万2,000人の+1.8%など5州に及んでいます。

    医療・社会福祉は、前月12月の減少を補い4万人の雇用増で前月比+1.5%となりました。前年同月比では、4万9,000人の増加で+1.9%となり、この増加は、主にオンタリオ州の+2万2,000人とケベック州+1万1,000人に集中しています。

    2022年11月の求人・賃金調査データによると、医療・社会福祉の求人数は数ヶ月間高止まりしていましたが、わずかに減少した模様です。

    3ヵ月連続で変化のなかった教育サービスの雇用者数は、2023年1月に前月比+1.3%の1万8,000人増加し、12ヶ月前の水準と肩を並べました。この増加の多くはケベック州での+2.6%の+9,000人が占めています。

    2023年1月の建設業の雇用者数は、2022年12月に記録した2万7,000人の増加に続き、1万6,000人増 (+1.0%) となりました。

    前年同月比では+7.6%の11万4,000人の増加となり、宿泊・飲食サービスの+23.0%、情報・文化・娯楽の+12.6%、科学・技術サービスの+8.9%に次いで、建設業は過去12ヵ月間で最も成長した業種の一つとなっています。

    介護や修理・メンテナンスなど様々なサービスを含む、その他サービスの雇用者数は2023年1月に前月比+2.2%の1万6,000人増とこの3ヶ月で2回目の増加となりました。

    運輸倉庫業の雇用者数は前月比-1.7%の1万7,000人となり、2022年3月以来の目立った減少を記録しました。前年同月と比較すると、-3.6%で3万7,000人減少していることになります。

    5つの州で雇用者数が顕著に増加

    オンタリオ州、ケベック州、アルバータ州、ノバスコシア州、サスカチュワン州で雇用者数が増加し、ニューファンドランド・ラブラドール州で減少、その他の州ではほとんど変化がありませんでした。

    オンタリオ州の2023年1月の雇用者数は前月比+0.8%の6万3,000人となり、最も雇用者数が増加した州となりました。同州の失業率は5.2%とほとんど変化はありませんでした。

    ケベック州の1月の雇用者数は前月比+1.1%の4万7,000人の増加となり、こちらも9月以来3回目の大幅な雇用者増となりました。同州の失業率は3.9%と引き続き過去最低水準で推移し、全州のうち最も低い水準となっています。

    アルバータ州での2023年1月の雇用者数は前月比+0.9%で2万1,000人の増加、ノバスコシア州は+1.9%の9,400人増、サスカチュワン州は+0.8%の4,500人増加となっています。

    ニューファンドランド・ラブラドール州は、雇用者数が前月比-1.0%の2,300人減となり前月12月の増加分をほぼ相殺し、1月に雇用者数が減少した唯一の州となりました。

    出典 :

    The Daily — Labour Force Survey, January 2023 | Statistics Canada
    Canada Employment Change | Investing.com
    Canada Unemployment Rate | Investing.com

  • カナダ 売上 トップ10 Eコマース サイト

    カナダ 売上 トップ10 Eコマース サイト

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    以下は Statista による2021年のカナダにおける売上トップ10のEコマース (以下 EC) サイトです。

    Top online stores in Canada in 2021, by e-commerce net sales

    カナダのEC市場を牽引しているのは Amazon.ca で、カナダ国内で発生した2021年のEC売上高は98億1,700万米ドル (以下 USD) でした。次いで、Walmart.ca が37億7,300万USDとなっています。

    3位は Costco.ca で、EC売上高は22億6,300万USDでした。Apple.com (apple.com/ca/) は、2021年のEC売上高が16億7,000万USDでカナダで4番目に大きなオンラインストアです。

    5位以下のECサイトは、Homedepot.caCanadiantire.ca、Shein.com (ca.shein.com)、Wayfair.caShoppersdrugmart.caBestbuy.ca と続いています。

    出典 :
    Top online stores Canada 2021 | Statista

  • カナダ 住宅市場 2022年12月

    カナダ 住宅市場 2022年12月

    カナダ 住宅 関連記事

    住宅販売市場の概況

    カナダ 不動産協会 (CREA) のデータを元にして、WOWA.ca が2023年1月24日に発表した資料によると、2022年12月のカナダの月間住宅取引件数と平均住宅販売価格は、前月比、前年同月比すべてにおいて下落となりました。

    特に取引件数は過去最高に近かった前年同月を39.1%下回り大きな下落となりました。販売価格も前年同月比で12%低下と、カナダの住宅市場は利上げと需要鈍化の影響を大きく受け続けている結果となりました。

    新規登録住宅件数は、ブリティッシュコロンビア州とケベック州の減少を筆頭に前月比6.4%減となっており、12月の新規供給量としては過去最低水準でした。

    CREA
    Canadian Housing Market News

    CREA 要人のコメント

    「年初に記録的な高水準だったものが、年末には過去10年の移動平均をわずかに下回るという、2022年はカナダの住宅活動において単年度で過去最大級の変化が見られました」 CREA ジル・オーディル議長

    「2022年の住宅市場の話題は、高インフレと金利上昇に関するものでした。2023年の市場は、それらの要因が反対方向にどのタイミングでどの程度戻るのかに左右されるでしょう。

    住宅需要は引き続き伸びており、供給が最大の課題であることに変わりはありません。2023年の住宅市場がどのような動きになるかは、カナダ中央銀行がどれだけ早くインフレを抑制し、借入コスト (つまり金利) を下げ始めるかにかかっています」 CREA シニアエコノミスト ショーン・キャスカート氏

    ブリティッシュコロンビア州とオンタリオ州の状況

    ブリティッシュコロンビア州は、依然としてカナダで最も住宅購入費の高い州です。2022年12月の平均住宅販売価格は、前年同月比で12%減、前月比で0.5%増の91万1,753カナダドル (以下 ドル) でした。

    都市別に見ると、パウエルリバーが前年同月比22%減、フレーザーバレーが同18%減と、平均住宅販売価格の下落率上位を占めています。ビクトリアの平均住宅販売価格は前年同月比9%減の93万3,486ドル。グレーターバンクーバーは同5%減の118万2,935ドルとなりました。

    オンタリオ州の2022年12月の平均住宅販売価格は、前月同月比12%の下落、前月比で2.1%下落の81万2,338ドルとなり住宅価格下落が続いています。

    オンタリオ州を都市別に見ると、ブランプトンの平均住宅販売価格が前年同月比で19%減少、ハミルトンは同13%の減少を記録しています。オシャワは前年同月比15%減、ロンドンが同13%減、ミシソーガが同11%減、そして、オタワは同2%の減少となりました。

    British Columbia and Ontario

    出典 :
    January 16 2023 News Release | CREA Statistics
    Canadian Housing Market Report Jan 23 2023 | WOWA.ca

  • カナダ GDP 国内総生産 2022年11月

    カナダ GDP 国内総生産 2022年11月

    概況

    カナダ 統計局 によると、2022年11月カナダのGDP (国内総生産) は、前月比で10月の+0.1%増に続き、11月も事前予想通りの+0.1%増となり、引き続き経済は良い状態を維持しています。サービス業の伸び+0.2%が製造業の低下-0.1%を相殺しており、20産業のうち14産業がプラス増となっています。

    次月12月のGDPはほぼ横ばいと考えられ、小売業、公益 (utilities) 事業、公共事業が増加、卸売業、金融保険業、鉱業・採石業、石油ガス採掘業が減少すると予想されています。

    Canada Gross Domestic Product (GDP) MoM

    渡航制限の撤廃と金利上昇による影響

    2022年10月1日に陸路、空路、海路でカナダに入国するすべての旅行者に対し、ワクチンとArriveCANアプリの使用義務、またあらゆる検査や検疫の要件を含む新型コロナウイルス感染症 (以下 COVID-19) 国境規制がすべて撤廃されました。この制限の撤廃は11月も引き続き運輸倉庫業の上昇を支えました。

    一方で、2022年にかけてのカナダ中銀による利上げは、既に減少傾向にあった不動産業、住宅建築業、法律サービス業に引き続きマイナスの影響を及ぼしています。

    旅行関連の回復がさらに進み運輸倉庫業が引き続き好調

    運輸倉庫セクターは、すべてのサブセクターが上昇したため3ヶ月連続での増加となりました。中でも航空輸送は11月に+4.6%と大幅に増加し、2ヶ月連続で同セクターの成長に最も貢献しています。国内航空会社の回復が続き2020年1月のパンデミック以来の高水準となりました。

    しかし、10ヵ月連続の上昇にもかかわらず、2022年11月の航空輸送の活動水準はパンデミック以前の水準を約31%も下回っています。

    宿泊サービスも旅行者の宿泊施設利用の増加により11月に+2.5%拡大しました。

    金融保険業は3ヶ月連続の減少から増加に転じる

    3ヶ月連続で減少していた金融保険セクターは、2022年11月に+0.5%の増加を記録し、ウクライナ紛争により取引活動の活発化やカナダへの資金流入が増加した2022年3月以降最大の上昇率となりました。

    最も貢献したサブセクターは信用仲介 (credit intermediation) と通貨当局 (monetary authorities) です。政策金利の上昇が続く中、住宅ローンおよび住宅ローン以外の債務も増加し、銀行での定期預金も増加したことがこれらのサブセクターを押し上げました。

    金融投資サービス、ファンド、その他の金融商品も11月の増加+1.2%に貢献しました。11月に発表された米国の消費者物価指数 CPI (インフレ率) が予想を下回った影響で市中金利が少し低下し、カナダ国内の株式・債券の資産価値が上昇しました。

    建設業は住宅建設活動の縮小が続き不調

    2022年11月の建設セクターは、ほぼすべてのサブセクターで減少し-0.7%減となりました。ただし、エンジニアリングとその他建設活動は例外で+0.5%増と24ヵ月連続のプラスとなっています。

    住宅建設は-1.8%の減少で8ヵ月ぶりのマイナスとなりました。2022年5月に組合に加盟する建設労働者の多くがストライキを行い多数の建設プロジェクトに遅れが生じましたが、それ以降で最大の減少幅となります。

    商業ビルの新築工事は増加したものの、主に一戸建て住宅の新築と住宅改築、補修工事の縮小が大きく影響を及ぼしました。

    小売業の活動も不調

    2022年11月の小売セクターは、-0.6%減少となり12サブセクターのうち8セクターが減少しました。特に目立ったのは、建材園芸用品販売店-2.9%減、食品飲料店-1.8%減、そして、総合スーパー-1.6%減でした。

    食品飲料店は2018年4月以来の低水準の落ち込みとなっています。ビール、ワインなどの酒類店が最も減少しています。ガソリンスタンドの活動増加+4.2%と自動車・部品販売店での増加+1.4%が他の減少を一部相殺しました。

    ガソリン価格について、前月比で10月は+9.2%上昇しましたが11月は-3.6%低下となり (2022年12月の 消費者物価指数 CPI によると12月のガソリン価格も前月比で下落)、主にカナダ西部での価格下落に牽引されました。米国西部における製油所の再開がブリティッシュコロンビア州、アルバータ州、サスカチュワン州、マニトバ州の価格下落に貢献しています。

    宿泊飲食業は飲食サービスの活動低下で縮小

    2022年11月の宿泊飲食セクターは、3ヵ月連続の増加から一転-1.4%縮小しました。特に飲食サービスが前月の増加分を上回る-2.9%の減少となりました。

    2022年前半にCOVID-19オミクロン株の影響から回復した後、同分野の活動は月毎に上昇と下降を交互に繰り返している状態です。

    公共事業は医療サービスに対する高い需要があり引き続き増加

    公共事業セクターは、2022年11月に+0.3%上昇し7ヶ月連続の上昇となりました。行政機関の+0.5%が最も寄与し、次いで医療社会補助が+0.2%でこちらも同じく7ヶ月連続の上昇となりました。

    行政機関の中でも特に、連邦行政 (国防を除く) と州・準州行政がともに+0.7%で上昇に最も寄与しています。

    出典 :
    Gross domestic product by industry, November 2022 | Statistics Canada
    Canada Gross Domestic Product (GDP) MoM | Investing.com

  • [2023年2月] カナダドル 円 為替 考察

    [2023年2月] カナダドル 円 為替 考察

    カナダ円 (CAD / JPY) の2023年2月の為替の動きについての考察です。

    CAD / JPY 日足

    概況について

    まず、2020年から動きとしては、上チャートの通り、2020年3月18日に1カナダドル73.81円の大底を付けた後上昇を続けて来ましたが、2022年9月13日に天井の110.53円そして10月21日にダブルトップを付け、現状は下落基調にあります。

    2022年12月までは99.00円でサポートされていましたが、12月20日の日銀ショックでサポートを下に割り込み、現在は99.00〜95.00円間のレンジの動きになっています。

    大底天井の要因

    大底となった要因としては、カナダ中銀が2020年3月に行ったパンデミックや原油価格急落から生じるカナダ経済への打撃を考慮した、極めて大きな政策金利の緊急利下げになります。

    天井となった要因は、ドル円の天井の要因にもなっていますが、初動は2022年10月のFOMCにおける米ドルの動きに影響されています。

    そして、同月カナダ中銀の政策金利発表で4.00%の予想に対して3.75%と下回ったことでカナダ長期金利 (10年) ・短期金利 (2年) ともに高値・安値を切り下げて下落基調に入ったことと考えられます。

    また、上記ドル円の天井からそれまでの円買いが円売りに転じたことも天井となった要因の一つでしょう。

    Canada Interest Rate

    カナダドル 2月の動向

    カナダドルの2月の動きについては、カナダ中銀の次回の政策金利発表予定日が2023年3月8日になるため、2月の経済指標の良し悪しから金利の上昇が今後行われるのかどうかが焦点となります。

    経済指標とは具体的に、雇用統計消費者物価指数 CPI小売売上高、GDP になります。通常、CPIを除くこれらの指標が予想よりも良ければまだ利上げの余地がまだあると見なされますが、おそらく根強いインフレ懸念から特にCPIの結果の方が大きく影響してくるのではと推測します。

    そして、市中の長短金利の動きについても上記指標との整合性を見ていく必要があります。

    日本円 2月の動向

    日本円の2月の動きについては、2022年3月以降ボラティリティが格段に上がっており、需給やそれまでのリスクオン・リスクオフの動きだけではなく、明らかに投機筋の力が働いていることを鑑みなければなりません。

    日本と同じく長らく低金利だったユーロも昨年利上げに踏み切り、主要国で唯一マイナス金利政策を行っている日本円がいつ方向転換をするかは世界の大きな関心事です。

    おそらく、経済指標による動きというよりは、円の政策金利を大きく左右するであろう2月に提示される可能性のある黒田氏後任の日銀総裁人事に注目が集まり、場合によってはヘッドラインで動く可能性もあると思います。

    3つのシナリオ

    2月のシナリオとしては、(1) 引き続き1カナダドル99.00〜95.00円間のレンジ、(2) 1カナダドル99.00円を上に抜ける、(3) 1カナダドル95.00円を下に抜ける、の3つになります。

    CAD / JPY 日足

    予想としては、(3) 1カナダドル95.00円を下に抜ける、可能性が高いと感じます。つまりカナダドルが売られ (弱い) 日本円が買われる (強い) ことでカナダ円のチャートが下落するのではと考えています。下落幅としては、カナダ円上昇以前の抵抗線であった92.00円が一つの目安となると思います。

    理由は、カナダの長短金利が下落基調にあることと、金利動向に最も影響力のある消費者物価指数 CPI の上昇が鈍化して来ており頭打ち感があること、金利を現水準で維持することの示唆コメントも出てきており今後金利低下を織り込んで来るであろうこと、が挙げられます。

    そして、日本円に関しては、今後の方向性としては金利上昇しかないので、その方向の材料に反応しやすいのではないか、と推測できます。

    カナダドル強弱の確認のため、米ドルとの比較 (USD / CAD) についても見ていきます。下チャートを見ると、2022年10月以降徐々に高値を切り下げて下落基調にありカナダドルの方が強くなっているのが分かります。

    しかし、米ドルはドルインデックスでも分かる通り昨年10月以降に明らかに下がっており、相対的にカナダドルが強く見えている面があります。

    現在、昨日11月に付けた安値1.3226に向けて下降中であり、200日移動平均線の支持もあるので、ここでサポートされて下げ止まれば次はカナダドル安方向に進むことになります。ここが抜けるか反発するかの見極めをすることも有用かと考えています。

    USD / CAD 日足

    経済指標の内容次第によってカナダ中銀が利上げを継続することは十分あり得ますし、bpが予想よりも高く発表されれば大きくカナダ買いに動くこともあります。日銀総裁人事も円安方法へ動く内容の可能性もありますので、状況によって都度判断していく必要があります。

    観察すべきは、カナダ経済指標 (雇用統計、消費者物価指数 CPI、小売売上高、GDP)、カナダ長短金利、カナダ政策金利に関するコメント、WTI原油価格、日銀総裁人事、ドルカナダ (USD / CAD)、ドル円 (USD / JPY) といったところでしょうか。

  • カナダ 政策金利 0.25bp引上げ 4.50% 2023年1月25日

    カナダ 政策金利 0.25bp引上げ 4.50% 2023年1月25日

    カナダ 中銀 は2023年1月25日、政策金利を0.25bp引き上げて4.50%とすると発表しました。利上げ幅は前回の0.50bpから縮小したものの8会合連続での利上げで量的引き締めを継続しました。

    カナダ経済の概況として、最近の GDP は予想を上回り景気は依然として超過需要にあり、労働市場は依然としてタイトで失業率は歴史的な低水準に近い状態が続いています。しかし、消費の伸びは2022年前半から緩やかになっており、住宅市場の活動も大幅に低下しています。金利上昇の影響により消費者向けサービスや企業投資への支出は鈍化すると予想されます。

    インフレ率は、ガソリン価格の下落などで2022年6月のピーク8.1%から同年12月には6.3%に低下しましたが、食料品と住宅価格の持続的な上昇により短期的なインフレ期待は依然として高い水準にあります。

    ただ、カナダ中銀は今年のインフレ率は大幅に低下すると予測しており、エネルギー価格の低下、グローバル供給状況の改善、金利上昇による消費への影響により、消費者物価指数 CPI は2023年半ばには3%程度まで低下し、2024年には目標の2%に戻ると予想しています。

    カナダ中銀は、国民のため物価の安定を回復させることに断固とした姿勢をもって望むとした一方、インフレ率が上記見通しに概ね沿って推移した場合、累積利上げの影響を見極めながら、政策金利を現在の水準で維持することも想定するとし、一旦利上げを停止することも示唆しました。

    次回の政策金利発表予定日は2023年3月8日になります。

    Canada Interest Rate

    出典 :
    Bank of Canada increases policy interest rate by 25 basis points | Bank of Canada
    Canada Interest Rate Decision | Investing.com

  • カナダ 新築住宅価格指数 2022年12月

    カナダ 新築住宅価格指数 2022年12月

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    カナダ 統計局 によると、2022年12月のカナダ新築住宅価格指数は、前月比で予想-0.2%に対して0.0%と上回り、3ヶ月の下落に続いて横ばいとなりました。

    調査対象となった27の調査都市圏 (Census Metropolitan Areas) のうち19都市で横ばい、6都市で下落、2都市 (モントリオールとカルガリー) で上昇しています。

    カナダ中銀が月初に政策金利を再び引き上げたことで、12月も高い住宅ローン金利が住宅市場に影響を及ぼしました。新規住宅購入者と住宅価格の冷え込みは続いています。

    出典 :
    New Housing Price Index, December 2022 | Statistics Canada
    Canada New Housing Price Index MoM | Investing.com

  • [2023年] カナダ Eコマース 決済方法

    [2023年] カナダ Eコマース 決済方法

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    Statista によると、カナダのEコマースでの決済方法で、クレジットカードは最も一般的な手段であり、2023年にはEコマース取引全体の50%を占めると予想しています。

    しかし、クレジットカード決済は2017年のシェア68%から2025年には48%まで縮小すると予想され、代わりに E-wallet (デジタルウォレット) の利用が比較的増加傾向にあり、2023年は24%で2位にランクしています (データ更新 : 2022年6月)。

    Revenue Share Payment Types

    2020年に行われた調査によると、カナダの消費者はオンライン購入の際にBNPL (Buy Now Pay Later) 決済に関心があり、35~44歳のグループで65.4%と最も関心が高く、最も低い65歳以上では47%ですが、それでも半数近くが関心を持っているとの結果となりました。

    出典 :
    eCommerce – Canada | Statista Market Forecast
    Canada – eCommerce | U.S. Department of Commerce, International Trade Administration

  • カナダ 小売売上高 2022年11月

    カナダ 小売売上高 2022年11月

    カナダ 統計局 によると、2022年11月のカナダ小売売上高は618億カナダドル、前月比で予想-0.5%に対して-0.1%と上回りました。

    売上高が減少したセクターは食料品や建築資材、ガーデン用品販売で、増加したセクターは自動車及び部品販売店とガソリンスタンド及び燃料販売店でした。ガソリン価格については、米国西部での製油所再開に伴い3.6%下落しています。

    自動車とガソリンなどを除いたコア小売売上高は1.1%減となり11ヵ月ぶりの大きな落ち込みとなりました。

    Canada Retail Sales MoM

    出典 :
    Retail trade, November 2022 | Statistics Canada
    Canada Retail Sales MoM | Investing.com

  • カナダ 消費者物価指数 CPI 2022年12月

    カナダ 消費者物価指数 CPI 2022年12月

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    概況

    カナダ 統計局 によると、2022年12月の消費者物価指数 CPI (インフレ率) は、前年同月比で予想+6.4%の上昇に対して0.1ポイント下振れし+6.3%となりました。前月2022年11月との比較では+6.8%から0.5%下回り伸びが鈍化しました。

    価格の上昇幅が減速したのは主にガソリン価格や持ち家の建て替え費用で、逆に上昇幅が加速したのは住宅ローン金利、生鮮野菜、パーソナルケア用品などでした。

    食料品とエネルギーを除いたコアCPIは、前年同月比で予想+6.1%の上昇に対して+5.3%となり、こちらも伸びが鈍化したかたちとなりました。

    前月比で見ると0.6%の減少となり、月間下落率としては2020年4月以降で最大となります。そのほとんどはガソリン価格の影響によるもので、こちらも同月以降で最大の月間下落率を記録しました。

    Canada Consumer Price Index (CPI) YoY

    ガソリン・燃料油価格は前月比で大きく下落

    ガソリンスタンドで消費者が支払う価格は前月比で-13.1%減少し、2020年4月以降で最大の月間下落率となりました。これは世界経済の減速懸念に伴う原油価格の下落や、中国でのCOVID-19の広がりによる需要減を反映しています。

    前年同月比では2022年12月のガソリン価格は+3.0%の上昇となっていますが、11月の+13.7%よりも上昇幅は減速しています。

    原油価格の下落を反映して、燃料油などの価格も前月比で-14.8%の減少となっています。前年同月比では+51.2%の上昇となっていますが、こちらも11月の+73.4%よりも上昇幅を下げて来ています。

    耐久財価格は減速

    2022年12月の耐久財 (何度でも使用でき使用期間も長い有形の製品、例えば、家電製品、家具、自動車など) の価格は、前年同月比で11月の+5.3%から上昇幅が+4.7%に低下し3ヵ月連続の減速となりました。

    家電製品の価格は、前年同月比で11月の+7.4%の上昇から12月は+2.8%と同じく上昇ペースが鈍化し、前月比では過去最大の下落幅である-4.1%の低下となりました。

    同様に、家具の価格も前年同月比で11月の+8.1%から12月は+6.4%と上昇幅は低下しました。これらの価格上昇の鈍化は、サプライチェーンの圧力が緩和され輸送コストが低下し、需要が軟化する中で発生したと推測されます。

    自動車の価格も前年同月比で+7.2%の上昇ですが3ヵ月連続で前年比の伸びが鈍化しており、これは中古車需要の低下を反映していると思われます。

    住宅建替価格は引き続き伸び悩む

    前年同月比で2022年12月の持ち家の建て替え費用は+4.7%、その他居住関連価格が+2.5%と引き続き比較的低い数値となり住宅市場の冷え込みは続いています。

    住宅ローン金利の指数は政策金利の上昇環境が続く中、前年同月比で11月の+14.5%に続き12月も18.0%となりCPI全体に上昇圧力をかけています。

    食料品価格の伸び率はやや鈍化

    店頭で消費者が支払う食料品の価格は前年同月比で+11.0%となり、前月11月の+11.4%と比較してわずかに減速しました。過去5ヵ月間の価格上昇率は+11.0%前後で推移しています。

    2022年12月は、ノンアルコール飲料が+16.6%、ベーカリー商品が+13.5%、コーヒー紅茶商品が+13.2%、その他調理加工品が+11.5%、保存・調理加工フルーツが+7.2など、多くの食品項目で価格の上昇ペースが緩やかになって来ています。

    ただし、生鮮野菜の価格は11月の+11.2%に続き12月も+13.6%となり価格の鈍化は確認できませんでした。産地が天候に恵まれなかったトマトが+21.9%、そしてその他の生鮮野菜も+11.7%と野菜全般に価格上昇の加速が見られました。

    パーソナルケア用品価格は引き続き速いペースで上昇

    2022年12月のパーソナルケア用品の価格は前年同月比で+9.9%となり、1983年2月以来の大きな伸びとなりました。個人用石鹸、トイレタリー用品、化粧品、口腔衛生用品、その他パーソナルケア用品の間で幅広く上昇し、2021年4月以降引き続き価格の伸びは上昇傾向にあります。

    地域別では全州で上昇ペースが鈍化

    前年同月比で2022年12月は、全州で前月11月に比べて上昇ペースが鈍化しました。これは大西洋岸地域の暖房用燃料油の価格低下が主な要因となります。ガソリン価格も全州で下落しており、最も大きく下落した州はアルバータ州とカナダ大西洋州でした。

    出典 :
    Consumer Price Index, December 2022 | Statistics Canada
    Canada Consumer Price Index (CPI) YoY | Investing.com

  • [2023年] カナダ Eコマース モバイル利用率

    [2023年] カナダ Eコマース モバイル利用率

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    Statista によると、カナダのEコマース モバイル利用率は、2023年に34.5%、そして、2025年には34.6%となると予想されています (データ更新 : 2022年12月)。

    Mobile / Desktop Split – Chart

    上記パーセンテージは、カナダ Eコマース 市場規模全体におけるモバイルまたはデスクトップ経由の比率ですが、米国商務省の International Trade Administration によると、2022年1月のカナダのオンラインユーザー全体におけるモバイルコマース (モバイルデバイスでのオンライン購入) の利用率は55%となっており、この傾向はますます高まっているようです。

    ミレニアル世代 (18~34歳) の消費者がこのトレンドをリードしており、これらのユーザーの47%が少なくとも週に1回はモバイル経由での購買を行っています。

    出典 :
    eCommerce – Canada | Statista Market Forecast
    Canada – eCommerce | U.S. Department of Commerce, International Trade Administration